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ヘッドフォン論
その昔、モータのついた家電製品をいくつ持っているかで、その家の文化程度の大きさを計れるといわれた時代があった。
エアコン、冷蔵庫、換気扇、ビデオデッキ、PCなど、ウチの家には計り知れない数のモーターのある家電製品があるが、とても文化的だとは思われない。
本とか書棚は別として、複数所持しているものといえば、それはヘッドフォンだ。
いろいろなものを集めるクセがある私は、実はヘッドフォンにも目がない。
全部あわせて7個くらい持っている。これでも減ったほうだ。
なぜ減ったかというと、買ったはいいが使い物にならなかったからだ。
買ってはガッカリして捨てる、その繰り返しをしてきたのだ。
その最たるものは100円ショップのヘッドフォンだ。
どうせ使い物にならない...
これまでの経験から、100円で買えるヘッドフォンがどの程度のものか想像はつく。
が、試してみたくなる。試して100円で買えるヘッドフォンの性能をあらためて認識してみたくなる。認識して腹を立ててみたくなるのだ。
して、その結果は...
昔のモノラルイヤホンがステレオになったような音だ。
もしかすると、昔のモノラルイヤフォンに失礼かもしれない。
高級なモノラルイヤフォンには適うべくもない音だ。
高域も低域も本当に割り切って捨ててしまったような音だ。かんじんの中域もモコモコして切れがない。
電話をステレオで聴いているような音と言ってもいいかもしれない。
私は十分に納得して、買ってきたばかりの100円ヘッドフォンをゴミ箱に捨てた。
いまはどこかで処分され、第2・第3の人生を歩んでいるに違いない。

経験から安いヘッドフォンが使い物にならないといったが、これは確かなことだ。
では、使えるヘッドフォンとはどのくらいからのものを指すのだろうか。
人によって大きく違うのは想像できるが、私の場合、最低価格帯は10,000円である。
"えーっ!" と思う方と、"そんなもんか..." と思われる方と、二通りに分かれるはずである。
"えーっ!" と思われる方は、耳かけ型の1,980円ヘッドフォンで満足できる方である。
"そんなもんか..." と思われる方は、日頃から最低でも30,000円程度のモニタヘッドフォンを使用されている方であろう。
どういう訳か、高・低域の出方が10,000円を境として、雲と泥ほど違うのである。
私も3,000円のヘッドフォンを一つだけ持っている。密閉型の超メーカーものだ。
が、音楽観賞用には使用できない。聴くに堪えないのだ。
100円ヘッドフォンとはいわなくとも、カタログに嘘が書いてあるのではないかと思われるほど、高域がバッサリ切られており(普通20,000Hzまで出ると書いてある)、低域は50Hzまで出ると書いてある割には100Hz帯域も出ない。
通常、再生周波数上限が20,000Hzと書いてあるヘッドフォンは、高域が出ない。
最低でも22,000Hzとなければならない。
できれば28,000Hzと書いてあってほしい。
この法則は、3,000円、6,000円と試して何度もそうだったので確かである。
何度か6,000円出して使い物にならなかったときは、本当にガッカリした。
数日間、抜け殻のようだった。
上を欲すればキリがないのであるが、メーカー標準価格10,000円(実売はそれより低くてもOK)以下はダメという経験則は、このようにして得られたのだった。
高いものを買えばいいのかというと、そうでもない。
高くなったから音がそれに比例してよくなる、というものでもないみたいだ。
持っているもので最高級品は、SONYの"MDR−DS5100"だ。
30,000円くらいのバーチャルサラウンドヘッドフォンなのだが、単なるヘッドフォンとしてもまあそれなりのものである。
10,000円以下でなんとか聴けるものというものもある。SONYの"MDR−E888"である。
ただ、低域は十分なようだが、高域は堅い。かなり長い間エージングしないと、どんな高域を入力してもクローズドハイハット(チンチンとなるシンバル)を聴いているような音がする。中域も出ていないようだ。
安いヘッドフォンというものは、こういう風にクセのあることが多いのである。
所持しているインナーヘッドフォンで最高級な音をだすものは、SONYの"XXX"だろう。
実は名前がわからないのだ。
オープン型で、インナーヘッドフォンであるにもかかわらず、メーカー標準価格が12,000円というものであった。いくらで買ったは忘れた。
コードをクルクル巻き取れるのが特徴だ。"NUDE"の最高級品だったような気がする。
私が持っているものは、LとRが分離している箇所が接着剤で補修してある。
同じものを入手したいのだが、いつの間にか発売中止になってしまってできないのである。
不況に入って一時期一斉に姿を消した高額インナーヘッドフォンが、近頃一部の有名メーカーから再び発売されるようになってきているようだ。
たぶんSONYのインナーヘッドフォン最高級機になっているであろう"QUALIA"の"MDR−EXQ1"をまだ聴いてもいないが、この12,000円も実にいい。
"NUDE"の高級インナーヘッドフォン再発売も、ぜひに検討していただきたい。
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